シリア難民支援(過去の活動内容)

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 プロジェクトの背景

シリアで紛争が勃発して以来、情勢は悪化の一途をたどり、隣国ヨルダンには多くのシリア難民が流入し続けています。

シリアからの難民が増えると、ヨルダン国内でも様々な問題が起こります。例えば、病院や学校等の公共サービスが十分に行き届かなくなったり、ヨルダン人の雇用機会が減ったり、深刻な水不足を引き起こしたりします。これらの問題から、シリア難民とヨルダン人のコミュニティの軋轢が生じる場合も少なくありません。

シリアからの難民は紛争体験、避難先からの冷たい目、苦しい生活状況などによる、大きなトラウマとストレスを抱えて暮らしています。また、難民であるがゆえにヨルダン国内で働くことが出来ず、貯金を切り崩しながら先が見えない困窮した生活を送っている人が多くいます。

▲シリア難民の家庭。最低限の家具しかない部屋に住んでいます。

プロジェクトについて

少しでも生活の困窮を和らげるために、ザルカ県内で生活しているシリア難民及びヨルダン人貧困層に対して、以下の支援を行なっています。また、2014年8月からヨルダン・ザアタリ難民キャンプでも活動を開始しました。

1. 食糧、生活必需品等の支援物資の配布(2012~2019年、主にザルカ市。一部、ザアタリ難民キャンプ、イルビッド市、マフラック市でも実施)

生活貧窮の緩和を目的に、シリア難民とヨルダン人貧困層に対して、食糧クーポンや支援物資を配布しています。食糧クーポンは、スーパーマーケットで食料品や日用品を購入することができるため、仕事に就くことが困難なシリア難民の生活環境改善に役立っています。冬にはブランケットやガスストーブなどの越冬物資を配布し、シリア難民の厳しい生活が少しでも改善されるように取り組んでいます。

 食糧、生活必需品等の支援物資の配布

 

2. 子ども向け心理社会的ワークショップ(2013年~2019年、ザルカ市。2014年からはザアタリ難民キャンプでも実施)

描画、粘土、スポーツ、日帰り旅行、演劇を通じて、紛争によるトラウマやストレス等と向き合い、PTSD(心的外傷後ストレス障害)を予防します。ヨルダン・ザアタリ難民キャンプでもこの活動を行なっています。シリア心のケア

 

3. インフォーマル英語教育(2013年~2017年、主にザルカ市。一部、ザアタリ難民キャンプ、ハシミーヤ市でも実施)

英語の授業のカリキュラムが異なる、ヨルダン人とシリア人の英語力の差を埋めるため、インフォーマル英語教育を実施しています。ヨルダンの公立学校の教科書を使って授業を行なっています。インフォーマル英語教育

 

4. 女性向け心理社会的ワークショップ(2013年~2019年、主にザルカ市。一部、ハシミーヤ市でも実施)

刺繍、料理、編み物、石けんづくりの作業に没頭することで、心に抱える傷や不安などを一時でも忘れ、互いに体験を共有する場を提供します。加えて、英語・PC教室といった能力の向上につながるプログラムを提供し、将来に向けた建設的な取り組みを支援しています。このプロジェクトから女性グループJORIAが立ち上がり、刺繍や編み物を販売して収入創出につなげています。Samar working on Sewing

 

5.啓発講座、交流プログラム(2015年~2019年、ザルカ市)

避難生活に役立つ情報や、参加者同士が気軽に交流を図れる機会を提供し、不自由な避難生活によるストレスの軽減を目的としています。

 

6. 専門家によるカウンセリング(2013年~2019年、ザルカ市)

ヨルダン人精神科医や心理士、ソーシャル・ワーカーから成るチームが、個々の状態に応じたきめ細やかなカウンセリングを行い、紛争体験が原因となるトラウマや、避難生活に伴うストレスを抱える人々をケアしています。カウンセリングに来られない家庭には家庭訪問を実施しています。カウンセリング

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