1．事業概要
Razi Social Development Organization (RSDO)は、NICCOとジャパン・プラットフォーム (JPF)による技術的・財政的支援を受けながら、アフガニスタンのヘラート州とゴール州において、5年間に及ぶ包括的な村落開発事業を実施しました。
当事業では、学校建設や教員研修、識字教室、農業研修を通して、教育環境整備と女性の自立、農業従事世帯の収入向上に寄与することが可能となりました。
▲ガイザン校外観
▲ガイザン校女子生徒
２．事業の成果
ヘラート州とゴール州では、学校施設が不足し、近隣に通学可能な正規の学校がないことが、未就学児童の増加を招いています。また、上述の事業の開始年である2011年以前は、多くの子供たちが、テントや屋根のない環境下で授業を受けており、彼らは健康的な状態になく、病気に苦しんでいました。NICCOとRSDOによる学校建設事業の後、数万名の生徒が、近代的な学校で勉強できるようになりました。
また、識字教室の実施によって、2,000名を超える数の非識字者の女性が、読み書きができるようになり、コミュニティの開発に参加するようになりました。
さらには、サフラン、家庭菜園、小麦、果樹、ぶどう加工、綿花等の栽培・生産における農業世帯の生産性を改善することを通して、何千世帯もの農家が、品質の保証された種子や農機具を得ることができるようになり、また、現金収入を得ることができるようになりました。
▲サフランの花
▲サフランの加工
３．事業から学んだこと
当事業は、人道支援の実施と運営の観点から、有益な学びの機会を私たちに与えてくれました。私たちは、コミュニティとの交渉や政府や地元の自治体との関係構築、事業の効率的な実施のための人材管理と啓発の方法を学びました。
また、私たちのパートナーであるNICCOからも、事業の実施やメールや電話による日々のコミュニケーション、事業の進捗報告を通して、多くのことを学びました。さらには、NICCOのスタッフからは、特にマシュハドやドバイで行われたミーティングより多くのことを学びました。人道支援や開発支援に関して、多くの学びがあり、RSDOは今後もさらなる学びの機会を得ることを切に願っています。
▲IT教室
４．忘れないで、アフガニスタン
私は、日本政府と日本の皆さまに対して、アフガニスタンの、特にヘラート州とゴール州に暮らす人々に対する寛大な支援に、感謝しています。皆さまの支援は、アフガニスタンの発展に、多大なる貢献をしており、多くの人々の人生に素晴らしい変化をもたらしています。
しかしながら、アフガニスタンは依然として世界で最も貧しい国の一つです。治安の悪さは、国民への破壊的な影響とともに、広がり続けています。ヘラートとゴールの多くの村落部では、子供たちがテントや屋根のない環境下で勉強をしなければなりません。私たちが識字を教えることができたのは、ほんのわずかな女性だけであり、今なお何千もの女性が、識字教育を必要としています。女性に対する暴力は、アフガニスタン中に広がり続けています。
残念なことに、アフガニスタンは国際社会から忘れ去られようとしており、メディアの注目は、シリアやイラクでの紛争に集まっています。アフガニスタンは30年以上続く内戦から少しずつ立ち直ろうとしています。私たちは、寛大な日本の皆さまの人道支援が続くことと、日本の皆さまがこのひどい状況にある貧しいアフガニスタンの人々に寄り添って頂けることを、切に願っています。
▲識字教室
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