2021年11月08日(月)

活動地の紹介(エアポートヘルスセンター)

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みなさま、こんにちは。ケニア事務所の出口です。
NICCOでは、11月19日~11月25日まで、オンラインマラソンイベント「NICCOチャリティ鴨川」を開催します!
11月12日まで参加募集を行っていますので、是非ご参加ください。

さて、今回は私たちが母子保健事業を中で支援をしている保健医療施設を紹介させていただきたいと思います。

NICCOが事業を行う地域(キスム西準群コゴニ準区)には公共の診療所(ヘルスセンター)が2つあります。

▲エアポートヘルスセンター

▲ウソマヘルスセンター

 

(※ ヘルスセンターとは、、、)風邪や腹痛、マラリアなどの日常的な疾病などを指すプライマリー・ヘルスケア(一時医療)を提供する保健医療施設。小さな診療所のようなもの。一般的な病院とは違い、基本的に入院などのサービスは行っていない。エアポートヘルスセンターでは、出産後の母子の状態により、一時的に滞在するための病室はあります。

今日はエアポートヘルスセンターに焦点を当ててお話しします。

このヘルスセンターは、コゴニ準区にある一番大きな診療所で、コゴニ準区の住民約30,000人のうち多くが利用する施設です。風邪をはじめ、マラリアやエイズなどのプライマリー・ヘルスケアに限定された保健医療サービスを行っています。また、産前検診や出産などのサービスは無料で行われています。医師は1名、その他看護師や薬剤師、カウンセラーなど約20名が働いています。

▲2021年3月にコロナ感染拡大対策の物資を提供した際の写真

 

NICCOの母子保健事業では、2019年度から施設の修繕や機器等の整備など、ハード面の支援をエアポートヘルスセンターに対して行ってきました。

1年次(2019年3月~2020年2月)には、産婦人科棟の建設と、本棟の修繕、ベッドや吸引機などの産婦人科医療備品の提供を行いました。産婦人科機能や出産環境が改善し、お母さんたちが安全に出産を行えるようになりました。以前は月平均6件だった、エアポートヘルスセンターでの出産件数は12件へと倍増し、NICCOが独自に行った産婦人科環境の改善についてのアンケートでは、95%の妊産婦が満足していると回答しました。

▲産婦人科棟の工事

▲産婦人科棟完工後。検診を待つたくさんのお母さんたち

▲提供した産婦人科棟のベッド

▲提供した分娩用吸引機

 

2年次(2020年3月~2021年2月)には、診療所に通じる道(150メートル)の舗装や、外構フェンス(229メートル)と倒壊しかけていた正門の修繕を行いました。これにより、雨が降った後でもぬかるんだ悪路を気にせず通院できるようになりました。また、ヘルスセンターの安全面が改善され、夜間の通院や滞在が安心してできるようになりました。

▲倒壊しかけていた正門

▲修繕後の正門

 

3年次(2021年3月~2022年2月)、NICCOは現在、病院スタッフ用の宿舎(スタッフハウス)の建設を行っています。

現在エアポートヘルスセンターでは、午後6時から午前6時にかけての夜間帯については、人材に余裕がないため1名しか宿直できず、そのため、夜間に急患が発生しても十分な対応ができません。

特に出産に関しては、夕方から朝方に陣痛が始まるケースが多く、医師の予測によると、エアポートヘルスセンターだけでも、年間120件以上の需要があるようです。しかし、最低でも2名いなければ出産を受け入れることができないため、現在のは、妊婦を遠くの病院へ紹介せざるを得ません。

スタッフハウスの建設は、夜間緊急時の受け入れ態勢を強化し、こうした問題を解決するためのものになります。スタッフハウスがあれば、宿直以外の医師・看護師が緊急時に出動できるようになり、お母さんたちは、陣痛が始まっても安心してヘルスセンターに出産しに来れるようになります。

スタッフハウスの建設は、10月1日に始まりました。

基礎工事や屋根工事が終わり、現在は電気や給排水の工事を行っています。建物の建設に関して、私は全く知識がないのですが、色々と質問をして勉強させてもらっています。

▲基礎根伐工事の風景

▲ブロックを積んで壁を作る作業

スタッフハウス建設は、年内に完工する予定です。建設が完了し次第、報告させていただけると思いますので、

もうしばらくお待ちください。

NICCOは、地域のお母さんたちが安心して快適な環境で出産できるよう、引き続き産婦人科環境の充実に取り組みながら、活動を続けてまいります。

今後もNICCOへのご支援をよろしくお願いいたします。