2021年07月21日(水)

インドでの有機農業の技術普及事業の紹介【ワークショップ編】

LINEで送る

ブログをご覧の皆様、こんにちは!

NICCOインド事務所の駐在員、萩原です。(最近マンゴーを食べ過ぎて、インド事務所の代表(櫻庭)からマンゴーの臭いがすると言われます。)

日頃よりNICCOの活動をご支援頂き、誠にありがとうございます。

 

日本は夏を迎え、日に日に暑さが増していると聞いています。事業地のあるビハール州、ブッダガヤ市においても、日中の最高気温は40度を超え、厳しい暑さが続いています。

【写真:事業地へ向かう道中、オートリキシャ(三輪タクシーのような乗り物で、インドでは一般的にタクシーの用途として使われています)にたくさんの人が乗っています】

 

さて、そんな灼熱のインドで、私達は有機農業の技術普及事業を行っております。

 

有機栽培の作物は、化学肥料を使用して栽培した作物と比較して、高値で取引されるため、貧困農家の所得向上につながります。また、土壌や地下水など環境を守るためにも、化学肥料を使用せず有機栽培に取り組むことは大変重要です。

 

しかし、これまで化学肥料を利用していた農民にとって、雑草取りや、病害虫の対策など、管理が容易ではない有機農業を理解し実践することは、簡単なことではありません。

 

インド事業では以下、大きく三つの方法を用いて有機農業の技術普及を実施しております。

  • ワークショップを通じた有機農業の研修
  • 実践を通じた有機栽培のスキルアップ研修
  • 有機農業の先進地での研修

 

今回は、①の「ワークショップを通じた有機農業の研修」の様子をお伝えしたいと思います!

 

ワークショップは4日間にわたる座学研修という形で行われ、参加者に有機農業全般について     説明します。有機農業に取り組む意義や栽培方法だけではなく、政府の支援制度の紹介も行います。NICCOの現地法人であるNICDA(NICCO India Community Development Association)のインド人職員が研修内容や日程、会場の手配を行いました。      

インド人職員は、「なぜ有機農業の普及が重要なのか」「どのように伝えれば農民は理解するか」といった内容から、「どのような流れで研修を進めるか」「どのような調達物が研修に必要か」などの段取り等にも頭を悩ませながら準備を進めます。

私達日本人が、永続的にこの地で支援をし続けるのではなく、インドで生まれ育ったインド人職員自らの手と頭で、地元のために考えて行動すること(インド人の自立)を私達NICCOはモットーとし、支援しています!

【写真:研修会場の下見、会場設営準備を行う現地インド人職員】

 

【研修の開催】

直近(2021年7月13日~7月16日)の導入研修では、計4日間で、

・有機農業に初挑戦する農民との顔合わせ お互いの自己紹介

・NICCO(NICDA)の活動紹介

・有機農業の紹介

・有機農業のメリット

・有機農業の実践方法

・今後の研修内容

などの内容の研修を行いました。

【(写真左)有機農業を説く現地職員(写真右)話を熱心に聞く農民】

 

有機農業の事業で既に一定の成果を上げている事業主や農家の方々を研修の講師として招く事で、これから活動に参加する農民の動機づけを図る事もあります!

 

今回の研修に参加した農民は「有機作物が高値で売れる事を初めて知った」「作り手である自分のみならず、作物を口にする家族の健康の事も考えるキッカケとなった」といった研修への感想を述べており、今後の活動に期待が持てます!

 

これまでと違った栽培方法を行ってまで有機農業に転換してもらうには、農民にとってのメリットをしっかり伝える事が欠かせません。

私達は、このような研修を複数回に分けて実践し、農民の有機農業への理解を深める活動を行い、

環境に配慮した農業の実践、貧困農家の生活向上事業を実践しております!

 

次回は、インドでの有機農業の技術普及事業の紹介【実地研修編】を掲載いたしますので、ご期待ください!