インド農民の生活改善支援

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プロジェクトの背景

NICCOは2019年3月からお釈迦様の聖地で有名なブッダガヤの農村にて、事業を開始しました。ブッダガヤがあるビハール州はインドの中でも特に貧しい州で、デリーやムンバイなど、近年、経済成長が目まぐるしい都市部と比べると、人々の生活格差は明らかであります。

NICCOは、人々の健康と自然環境に配慮した有機農業を広めることにより、ビハール州の環境改善と所得向上に寄与することを目指しています。また、女性の社会進出が限られていることにも目を向け、識字教室や裁縫教室の開催をきっかけに、女性の社会参加を促しています。さらには、エコサントイレの建設や学校での環境教育など、公衆衛生・環境分野へも取り組みも合わせて行うことで、総合的に人々の生活改善に貢献することを目指しています。

プロジェクトについて

1.有機農業普及

事業地バカロール町には7つの村があります。3年をかけて、NICCOは各村にビニールハウスを建設し、地元の農民に対して、有機農業の普及のための研修を行っています。インドのビニールハウスは日本のものと比べると、とても大きいため、遠くからでもよく目立ちます。車で通りかかった人が、これは何なんだと興味を持って、突然の見学に来ることもあります。夏は40度を超える強烈な暑さとなることもあり、ビニールハウスの上に取り付けたホースから雨を降らすようにして温度を下げる設備やミストシャワーの設備も備えています。堆肥作りの原料には、インドの農村で身近に手に入る牛糞と、ミミズを用いています。また、ニームと呼ばれる樹木のオイルやヨーグルトなどもインドの有機栽培では頻繁に用いられています。ビニールハウスの研修で学んだ知識を、農民達が自分たちの田畑でも実践し、有機栽培が広まっていくことを目指しています。

(左)ビニールハウス建設の様子 (中央)堆肥作りの研修の様子 (右)地元講師による苗作り研修の様子

2.女性のエンパワーメント

3年の事業期間のうち、初めの2年間で農村の教育を受ける機会のなかった女性向けの識字教室を開催しました。7村で合計250名ほどの受講者があり、識字教室は大盛況でした。受講者たちの習得度を確認するために3回行った試験においては、8割以上の生徒が合格し、生徒たちの強い学習意欲を感じました。生徒からは、「字が書けるようになり銀行口座を開くことができた」「自分の孫に字を教えてあげたい」という話を耳にし、私達も嬉しく感じております。農村の若い女性達からは、裁縫教室を開催してほしいとの要望が多々あり、2020年12月からは裁縫教室も開くことができました。最初は、おぼつかない手つきでミシンを扱っていた生徒たちも、3か月経つと、慣れた手つきでミシンに糸を通し、上手に縫えるようになりました。教室で製作した子ども用の服やマスクなどは、村で必要とする人に配りました。

(左)裁縫教室の様子 (右)識字教室の様子

3.エコサントイレ建設

公衆衛生への取り組みとして、バカロール町内に19基のエコサントイレを建設しました。日本人専門家が地元でエコサントイレを建設できる人材を育成し、現在はインド人のみで建設できるようになっています。農村部ではまだ野外排泄をする人もいるため、衛生改善のためにもトイレの建設は欠かせません。NICCOは、トイレを建設するだけではなく、きちんと使用されているかをモニタリングし、アフターケアも行っております。村を訪れると、エコサントイレを建設してほしいという声を耳にします。今後も、公衆衛生改善の大きな柱として、エコサントイレの建設を進めていきたいと思います。

NICCOが建設するエコサントイレって?

(左)エコサントイレ講習会の様子 (右)トイレがなかった家に建てたエコサントイレ

4.環境教育

ゴミ問題もインドの深刻な社会問題の一つです。人々はそこかしこにゴミをポイ捨てし、あちこちにゴミが散乱しています。牛や山羊、野良犬などの動物がゴミに混じった食べ物を食べに来るので、ゴミはさらに散らかります。動物の体内にもプラスチックなど有害物質が取り込まれます。ゴミ箱を持っていない家庭も多いため、NICCOは2020年に、各家庭にゴミ箱を配布しました。また、学校児童への教育が大切と考え、地元の学校に協力を要請し、一緒にゴミ拾い活動を行ったり、環境教育の出張授業を行ったりもしています。

(左)学校児童とゴミ拾い活動 (右)学校児童への環境教育

ブログ更新情報

2021年7月21日
インドでの有機農業の技術普及事業の紹介【ワークショップ編】