2021年06月30日(水)

ヨルダンでの更生支援事業の紹介

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ブログをご覧の皆様こんにちわ。

 

日頃より暖かいご支援、誠にありがとうございます。

NICCOヨルダン事務所の平間優です。

 

突然ですが皆さん、こちらのマークをご存知でしょうか、、、

なんのマークだろう??

これは、日本の更生保護のシンボルマーク生きるマーク」といいます。

日本では、1949年7月1日に犯罪者予防更生法による更生保護制度が施行されました。50周年を迎えた1999年には、更生保護の心が広まることを祈念し、「生きる」という漢字をモチーフとして、未来に向かって樹木の芽が伸びていくような様子を表現したこの「生きるマーク」が作成されました。

 

また法務省は1962年に「7月1日」を「更生保護の日」に制定しました。犯罪非行を未然に防止すると同時に、罪を犯した人や非行をした少年の更生と円滑な社会復帰を促進するための日とされています。

出典:法務省HPより(http://www.moj.go.jp/hogo1/soumu/hogo_hogo01.html)

 

ではなぜ、このブログにて更生保護についてご紹介したかというと、現在NICCOは、ヨルダンにて青少年の更生支援事業を行なっているからです。

ということで、ここからはその事業について簡単にご紹介させて頂きます。

 

NICCOはヨルダンのザルカ県ルサイファ市にある青少年勾留施設にて当事業を行なっています。

この施設には、主に薬物や窃盗・暴力の罪を犯してしまった16-18歳の青少年男子が100名ほど勾留されています。

 

2020年の3月に開始した当事業は、計3年間の事業計画となっており、青少年の心のケアに加えて、施設運営のモデル構築や地域コミュニティの啓発を目的としています。

 

事業地地図

 

ヨルダンは周辺諸国と比べて、比較的治安は安定していますが、人口の3割以上の難民を受け入れていたり、これといった強みのある産業が少ないことから、財政状況は芳しくなく、失業率や犯罪率も増加傾向にあります。また少年犯罪の多くが男児によるものという統計も出ています。

 

そういった背景がある中で、NICCOが支援を行う施設では、施設の老朽化や収容率オーバー、施設職員の監督不足などの課題が多く見られ、本来勾留施設が担うはずの役割を果たせていない状態でした。

これでは勾留している青少年たちは、健全な更生を果たすことができません。

ビニールハウスの骨組みだけが残置されている

 

そこでNICCOはこの施設の勾留機能が適切に運営されるよう以下の取り組みを開始しました。

・施設の改修・修繕

・更生支援アクティビティの実施

・職員向けのトレーニング

・心理士によるカウンセリング

・心のケアを目的としたワークショップ

・地域社会を巻き込んだ啓発活動→コロナのため延期

 

れら活動の詳細はまた後日ご紹介できればと思います。

心のケアアクティビティに参加している青少年たち

 

少年たちが犯してしまった罪は、もちろん社会的に認められるものではありません。しかし盗人にも三分の理という言葉があるように、彼らが非行に走ってしまったのには、何らかの理由がありますし、その原因や環境を作っているのは、もしかしたら大人である私たち自身かもしれません。

罪を犯してしまったという過去は変えることができませんが、将来のヨルダンを担う若者として、彼らには健全に更生し、社会の一員として生活する権利があります。

 

そのためには彼らの自助努力だけでなく、周りの大人たちや地域社会の理解と協力が不可欠です。

NICCOは当事業を通して、非行青少年への心の安定を促すと共に、地域社会の理解・安定にも貢献できるよう務めてまいります。

施設で活動するNICCOメンバーの面々