初めまして、8月中旬からヨルダン事務所で研修を受けているインターンの森本です。初めての中東圏での生活という事で、慣れないことも多いですが、アラブのおもてなし文化を受けながら楽しく活動しています。
▲ヨルダンの伝統料理マンサフでおもてなししていただいたときの写真
今回は、私のヨルダンでの活動、そこで感じたこと学んだことなどをご報告させていただきます。
8月17日にヨルダンに到着し、こちらでの活動が始まって1ヶ月ほどが経過しました。ヨルダン事務所が行っている青少年勾留施設での支援活動への参加や、新しく始まる農業系事業のフィールドへの同行、会計簿の作成、現地公立学校への訪問などを行っています。小学校や中学校に訪れた際、こちらの子ども達はみんなフレンドリーで、アラビア語が分からない私にも気にせず沢山話しかけてくれてすごく可愛かったです。また、学校でみんなK-POPや日本のアニメについて話してくれて、ヨルダンでもアジアの文化が親しまれていて嬉しくなりました。
また、ヨルダン人のコミュニケーション力の高さに驚いています。仕事上のコミュニケーションも基本的には電話か対面で行われ、メールはほとんど使われません。相手の感情や表情も読み取る事ができ、仕事以外の話をするきっかけにもなるので、すごく素敵な文化だなと思っています。
青少年勾留施設では、少年たちが真面目に活動に参加し、有意義な時間を過ごせている様子を見ることができました。私はアラビア語がわからないため、活動中の会話などはあまり理解することが出来ませんが、NICCO現地スタッフや施設職員など事業に関わる大人全員が真摯に少年と向き合っているから少年たちも真面目に活動に取り組もうという意欲が出ているのかなと思いました。NICCOの支援を受けた少年たちが出所後再犯せず、安定した生活を送って行って欲しいなと思います。
農業系の事業では、バルカ県ベイユーダ村という所で行われます。そこで、現地住民を対象としたワークショップの開催、小さな森を作るプロジェクトなどが実施される予定です。事業地になる場所の下見や、事業対象となる学校でのワークショプ開催などに参加しています。ヨルダンでは、水不足だけでなくポイ捨てなどのゴミ問題など環境系の問題が深刻です。この活動を通して、1人でも多くのヨルダン人が環境問題について関心を持ってくれたら良いなと思います。
▲NICCOヨルダン事務所現地スタッフとの記念撮影
▲バルカ県ベイユーダ村の学校でのワークショップの様子
これまで、1年間京都本部でインターンとして活動しながら、現地の活動の様子を見てきましたが、実際にヨルダンに来て現場を見ることで、より事業について理解を深める事ができています。日本でインターンの活動として開催していたチャリティマラソンやチャリティオークションで皆様から頂いた寄付金がどのような所に使われているのか実際に見る事ができ、それらイベントの意義についても改めて感じることが出来ています。
ヨルダンで研修を受ける中で印象的なことは、全ての施設にNGOや国際協力機関の援助が入っていることです。中々日本では見られない光景だと思います。特に学校では、1つの学校に対して複数の援助機関が入っていることも珍しくありません。難民問題や環境問題など多くの社会問題を抱える中で、できる限りの援助は必要だと思いますし、全ての人が自由な選択肢を持って、十分な生活をしていくために今後も援助は続いていくべきだと思います。しかし、私が今回こちらに来てから特に感じることは、国際協力では援助団体のエゴにならず現地主体で、援助が無くなった後も自立した生活を送れるようサポートをする事が大切なのでは無いかなと思います。そのためには、現地の方と一緒になって活動する姿勢、また各事業の意味や目的をしっかりと共有していく事が重要だと思います。
ヨルダンで、様々な活動されている他団体の日本人の方とお会いした時も国際協力分野で働く上での大切なことについて学び考えるきっかけになりました。皆さんそれぞれの目的を持って活動されながらも、しっかり現地の文化や現地のニーズを汲み取り、活動内容に反映しようとされている姿勢、現地主体の姿勢がすごく印象的でした。そして、言語や文化の壁があり、もちろん大変なことも沢山ある中で明るく、相手の立場に歩み寄り、現地の方と一緒になって活動されている様子に感動しました。
▲JICA協力隊の方の活動地(パレスチナ難民キャンプ内の学校)に訪問したときの写真
インターンとしてこちらで活動する中で、難民問題などについてより身近に感じ、その問題の深刻さを理解するほど日本にいるときよりも私には何ができるんだろうと無力さ感じる事が多くありますが、ここで学んだことを帰国後も活かし、これからも地道に活動していきたいと思います。
ご精読頂きありがとうございました。