マルハバ!(こんにちは)
はじめまして。ヨルダン事務所インターンの國崎と申します。
多岐にわたるヨルダン事務所の事業の中でも、私は主に女性を対象にしたプログラムの運営に携わっています。NICCOのさまざまな女性向けの事業について、今後紹介していきたいと思っています。
今回は、7月にザルカ県のハシミーヤ市で行われた手作り石けん教室の模様をお伝えします。このプログラムは、避難生活が長期化する中で孤立した生活を続けるシリア難民や、同じコミュニティで生活するヨルダン人が、安心して集い交流を図ることができる“コミュニティスペース”の一環として実施しています。“コミュニティスペース”では、避難生活によるストレスの軽減に加え、コミュニティとの結びつきや生活能力の向上につながる様々な参加型のプログラムを提供しており、ハシミーヤ市のほか、同じザルカ県内のザルカ市でも実施しています。
ハシミーヤ市では、ハシミーヤ市役所からの要請を受け、同市が所有する施設内で活動しています。この中の一室にて、レッスンが行われました。
まずは、石けん作りの手順を簡単にご紹介します。
(1) グリセリンの固まりを細かくカット。
(2) 火にかけてゆっくり混ぜながら溶かし、天然の着色料や香料を足す。
(3) 花やハートの型に流し込む。写真はミルクソープ。
(4) 一時間ほど冷蔵庫で冷やし固めて出来上がり!薄いピンク色にしてみたり、可愛くラッピングをしてみたりと、応用もきいています。
比較的易しい作業工程で実用品が作れるとあって、参加者の女性たちにとっては取り組みやすいプログラムになっています。
女性たちのなかには、さっそく自宅でオリジナルの石けんを作った方もいて、うれしそうに実物や写真を見せてくれました。
▲いつも乳母車に赤ちゃんを乗せてくる若いお母さんがつくりました。カラフルできれい!
レッスンも回数を重ねてくると、教室の中に「輪」が生まれ、子どもを連れてくる参加者がいると、協力して世話をする姿がみられました。そうすると、子どもの母親もレッスンに集中できるようになります。母親どうし、互いの気持ちがわかるからこそできる、コミュニティスペースならではの助け合いですね。
▲自宅で作った石けんを持ってきてくれました。ラメ入りのおしゃれな袋でラッピングする工夫も。
自作の石けんを自慢してくれた女性は、2人の娘さんと一緒に参加していました。作った石けんは親戚が買ってくれたそうです。レッスン中も誰よりも熱心にノートをとり、質問もたくさんされていました。いつも明るく「サバーハルヘイル!」(おはよう!)とあいさつをしてくれる、気さくなお母さんです。
楽しそうに時間を過ごしている様子や、学んだことを生かしてくれている姿を見るにつけ、この場所をもっとリラックスしてもらえる空間にしたい、彼女たちの活力を引き出すきっかけの場所にしたい、という思いが湧いてきました。
ここハシミーヤ市では、8月後半からは編み物のワークショップが行われる予定です。手作り石けん教室で感じたこと、女性たちからもらった笑顔を糧に、「どうすればもっと喜んでもらえるか」を常に考えながら携わっていきたいと思います。