メルハバ(こんにちは)。ヨルダン事務所の川端です。先日、ザルカでの子ども向け心理社会的ワークショップの第1タームが修了しました。ワークショップに参加したアミーラさん(15歳)に、ヨルダンでの生活やワークショップを通しての自身の変化などについて伺いました。
シリアで生まれ育ったアミーラさんは、2013年、内戦の恐怖から家族とともにヨルダンに避難しました。「当初はヨルダン人から差別を受け、シリア人同士が通う学校でも友達ができずクラスに溶け込むことができませんでした。」近隣の住人から盗難被害にあうなどのトラブルもあり、引っ越しを繰り返したといいます。
そんなアミーラさんにとって、心理社会的ワークショップへの参加は転機となったそうです。「自分に自信が持てるようになり、誰とでも関係性を作れるようになりました。」ターム修了時の演劇発表会では勇敢な女性の役を演じて、勇気をもって行動することを学んだといいます。自身が演じた役の影響を受けて、彼女は父親に頼んでシリア人の学校からヨルダン人の学校に転校しました。ヨルダン内のシリア人が通う学校の教育レベルは、ヨルダン人の学校に比べて低いと言われています。「より質の高い教育を受けたかったのです。実際、シリア人の学校より授業内容は若干難しいと思います。」
▲演劇発表会で役を熱演するアミーラさん(写真中央)
彼女の夢は外科医になって多くの人の命を救うことです。「大学の医学部に進学するために、関連する授業をとったり本を借りて自習したりしています。奨学金を得るために飛び級できるよう勉強に励んでいます。」
最後に、シリアの現状についてどう思うか尋ねると、次のように話してくれました。「シリア国内では、様々な国から兵士がやってきて、お互いに争って、殺し合って、ゴシップを流し合っています。お互いに慈愛の心を持って、互いに思いやる気持ちを持てば、神は皆に慈愛をくださるはずです。家族や周囲の人だけでなく、世界中のすべての人に平和が訪れることを願っています。」
▲心理社会的ワークショップ修了式にて(写真右)