今回は男性向け大工ワークショップに参加する、ハミードさんにインタビューを行いました。
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ヨルダンまでの道のり
私はダマスカス郊外の小さな村に生まれました。結婚して子ども達にも恵まれ、大工の仕事をして暮らしていました。
内戦が始まったある日の夜、村に戦車が来て攻撃が始まり、私の家も破壊されました。その時息子を抱きかかえて逃げた私は瓦礫の直撃を受け、息子と共に怪我を負いました。
私の方が息子より重症だったため、ヨルダンの病院に送られる事になり、他の怪我人たちと2台のトラックに分乗させられました。国境まで攻撃を避けながらの三日間の旅の辛さは今でも忘れられません。もう1台のトラックは道中で爆撃を受け全員亡くなってしまいました。
▲怪我をした足を見せてくれたハミードさん。
1年後。家族との再会。
子ども達、妻とヨルダンで再会できたのはそれから1年後の事でした。私は20回以上の痛みを伴う手術を受け、リハビリもしていますが手足は不自由なままです。もう一度大工として働いて家族を喜ばしてやりたいです。
息子の怪我は治りました。しかし彼は心に大きな傷を負っています。戦争の無いこの国での生活なのに、大きな物音や飛行機の音を聞くと震えて泣き出してしまいます。
私は信じています。いつか生まれ育った村に帰る日を。
少し前にアメリカへ移住してはどうかと聞かれましたが、私は断りました。家族とも話し合い、ヨルダンに残るつもりでいます。なぜかって? ここが私の国に一番近い場所だからです。いつか全てが終わった時、少しでも早く帰れるところにいたいのです。私は信じています。いつか生まれ育った村に帰る日を。どんなつらい事があったとしても、シリアは私たちの母国ですから。
厳しい冬を迎えるシリア難民たちへのご支援をお願いします。
◆年末年始助け合い募金(下記の画像をクリックすると募金ページにリンクします)