2017年03月07日(火)

東北 つくって食べようお料理体験教室

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みなさま、こんにちは。NICCOの大豊です。

私は2016年度、東日本大震災被災者支援の担当をさせていただいています。震災当初は現地の活動に参加していましたが、しばらくアフリカや中東、京都での仕事が多かったので、またお手伝いさせていただける機会をいただき感慨深いものがあります。

2017年1月、岩手県陸前高田市の陸前高田市コミュニティホールで食育教室を開催しました。

▲陸前高田市コミュニティホール。シンガポールからの支援で建てられたそうです。

震災以降、陸前高田で子ども支援を行ってきているNPO法人パクト様と兵庫県の洋菓子メーカー株式会社シュゼット・ホールディングス様の協力で開催したイベントです。

今回の食育教室は、震災からの復興と地域の活性化を目指し、地域の産業の魅力を若い世代に伝え、地域の産業の持続性につなげることが目的です。

また、東北の豊かな自然から生まれてくる新鮮な食材を食べることが、子どもたちの健全な成長の源となります。地域で取れる食べ物を食べ、地域の将来を担っていく人材に成長してもらうことも、長期的な目標と考えています。

▲調理室で料理スタート!

陸前高田市米崎地区はリンゴ栽培が盛んで、今回使用したリンゴは馴染みある食材と言えます。今回は果物として食べるだけでなく、チキンライスに入れることで新たなおいしさとアレンジの可能性を発見し、調理における工夫がもたらすおいしさの効果を体験できました。

▲親子で料理中。

講師の熊谷さんからは地元の食材を使った食生活の大切さが解説されました。

講師の熊谷さんは、陸前高田出身で実家はリンゴ農家です。

震災の前は東京に上京していてスイーツ店の店長をしていましたが、震災をきっかけに故郷に戻られました。戻られた後は、復興ボランティアをマネジメントする社会福祉協議会の職員を経て、所有していた建物を改装し「農家カフェ フライパン」をオープンされました。被災された若い世代が集まりやすい場所を作りたいというコンセプトがあるそうです。

熊谷さんの話を交えながら調理を進められ、子どもたちも、耳を傾けながら熱心に調理に集中していました。

プロの料理人の指導ということもあり、動作の速さや正確さ、ダイナミックさに関心を寄せる参加者が多かったです。

▲優しくて丁寧な指導をしてくださった講師の熊谷さん(右)

▲パクトのスタッフは陸前高田市の子どもたちのお兄さん、お姉さん的存在です。

地元で活動するパクトのスタッフの皆さんは日ごろから地域の子どもたちともコミュニケーションがばっちり取れていて、お兄さんお姉さんとして、子どもたちに親しまれていたのが印象的でした。また、保護者の方の参加により、親子で料理をするきっかけになりました。

▲リンゴ入りチキンライス!

▲焼きリンゴにアイスを乗せて、これはたまりません。

▲いただきまーす!

東北の子ども達は、様々なことを吸収する大切な時期を、大きな被害を受けた町で暮らしています。今回の食育教室は被災してもなお地域での産業に従事する大人たちの誇りや自然の豊かさに接しながら、子ども達が地域の担い手として成長していくきっかけとなりました。