2021年08月30日(月)

インドでの有機農業の技術普及事業の紹介【実地研修編】

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ブログをご覧の皆様、こんにちは!

NICCOインド事務所の駐在員、萩原です。

日頃よりNICCOの活動をご支援頂き、誠にありがとうございます。

 

さて、前回のブログ記事、インドでの有機農業の技術普及事業の紹介【ワークショップ編】でご紹介したように、インドでは有機農業の技術普及事業を行っております。

有機農産物は高い値段で取引されるため、農民の所得向上につながります。さらに、人々の健康や、土壌や地下水などの自然環境を保護することにもつながります。

(「化学肥料を使用しない事がなぜ土壌や地下水などの環境を守る事につながるのか」に関してはまた別の機会に紹介させて頂きます!)

NICCOでは大きく三つの方法を用いて有機農業の技術普及を実施しており、今回は前回の続編という事で、2つめの方法をご紹介いたします。

    1. ワークショップを通じた有機農業の研修  (←前回ご紹介)
    2. 実践を通じた有機栽培のスキルアップ研修 (←今回ご紹介)
    3. 有機農業の先進地での研修        (←次回ご紹介)

 

座学の農業研修を行った後には、実際にビニールハウス内での実地研修を行います。

【(写真①②)ミミズと牛糞を使用した堆肥(コンポスト)作りの研修の様子】

微生物の力で生ゴミや落ち葉などの有機物を分解・発酵させて作った有機肥料のことを「コンポスト」と言います。堆肥化を行うためには「コンポスター」と呼ばれる装置を使用する事もありますが、専用の装置がなくても、身近な材料を使って自作することも可能です。

インドの有機農業では、ミミズを用いて有機物を分解して堆肥をつくることが主流です。しかし、当会の事業地付近の大半の農民が、化学肥料を使用した慣行農業を行っています。そのような、ミミズ堆肥の作り方の知識を持たない農民の方々に対して、一緒にミミズ堆肥作りを行うことを通じて、やり方を教えていきます。

【(写真③)農民に対して水やりの方法を指導する農業専門家】

また、高値で取引される質の高い有機作物を栽培するためには、きめ細かい作業の実践が必要です。インド人は日本人と比較して、細かい作業に慣れていない一面があり、普段の農作業では日本人の農家が実践しているような作業は行っていません。

水やりの適切な量やタイミングを指導する事も、実地研修には含まれています!

【(写真④)トマトの種蒔き研修】

こちらの写真では、一つ一つのポットに丁寧に種を蒔いていく研修を行っております。

単に種を蒔くだけではなく、適切な穴の深さ、土のかぶせ方などを細かく説明しながら学んでいきます。

【(写真⑤)日本人農業専門家の研修を受ける農民】

NICCOのインド事業には、日本人の有機農業専門家が携わっており、年に数回日本からインドに直接赴き、手取り足取り指導を行います。

日本人専門家が直接指導を行うと、現地の農民の士気が高まるとともに、より深い知識を学ぶことが出来ます!

 

農業では、自らの手を動かしながら学ぶことが重要です。

特に、長い時間の講義を聞くことに慣れていない農民達は、座学研修を行っても集中力が継続しません。

現場で手を動かして学ぶことで理解と学びが深まり、農民達も、より多くの質問を講師や専門家に投げかけます!

 

農民達が有機農業のメリットを実感するためには、座学で有機農業について体系的に学び、実地研修で理解を深めた後に、栽培を継続した結果どのような成果が得られるのかを知る必要があります。

そこで私達は、既にインド内で有機農業を実践し、成果をあげている農家へ当会事業地の農民を連れていく研修旅行を実施しています。

 

次回はそちらの様子を写真と共にお届けいたします!!