ミンガラーバー(こんにちは)、ネーカウンラー(お元気ですか)。ミャンマー、パ・アン事務所の遠藤です。
NICCOが保健ボランティア育成のために実施している研修には、薬草に関する伝統医療の講義も含まれています。ミャンマーでは、薬草を用いた伝統医療も保健医療の重要な一部として認識されており、伝統医学を専門に学ぶ大学もあります。
経済的な理由や交通アクセスの問題により薬を手に入れることが難しい村の人にとって、身近にある植物が薬になるというのは、とても役立つ情報です。保健ボランティアさんからは、「伝統医療についてもっと勉強したい」という声がきかれていました。
伝統医療薬剤師と薬草を学ぶ
そこで保健ボランティアさんたちの要請を受けて、伝統医療薬剤師と一緒に村で薬草を実際に探してその効能を学ぶイベント、伝統医療学習ツアーを企画しました。
雨季が終わり炎天下の暑い中、2日間にわたって行われたこのイベント。1日目は、メティヨ村、シュエドウ村、コクワ村の三村の保健ボランティアさんがメティヨ村に集まり、朝早くから薬草を探して村内を歩きました。
講師をしてくださったのは、チャインセイチ・タウンシップの保健省伝統医学局に勤めていらっしゃる、伝統医療薬剤師の先生です。村の中で見つけた薬草の効能と煎じ方などについて、丁寧に説明してくださいました。
薬草を育てている方のお庭にもおじゃまし、薬草を見学させていただきました。
午後は、メティヨ村の僧院で講義の時間です。村には、便秘や頭痛、消化不良、関節痛などを緩和できる薬草がたくさんありました。採取した薬草について、テキストを用いて効能や使用方法を詳しく学びました。
学習ツアー 2日目
イベント2日目は、チョウンカウン村での学習ツアーです。チョウンカウン村とミャインゴン村の保健ボランティアさんが集まりました。チョウンカウン村はとても広いので、バイクで移動しながら、午前中いっぱいかけて薬草を探し、午後は村で見つけた薬草をもとに、 NICCOが建設した小規模医療施設にて講義を行っていただきました。
両日とも、保健ボランティアの皆さんは講師の先生に積極的に質問し、熱心に学んでいました。最後に感想を聞くと、夕方まで丸一日かかったイベントにもかかわらず、「講義の時間が足りない」という意見が多かったです。
保健ボランティアによる伝統医療の活用が、医療や薬へのアクセスが困難な地域の人々の健康に役立つよう、私たちもフォローアップしていきます。