2015年12月25日(金)

インターン日記@ヨルダン「NICCOスタッフインタビュー第2弾(前半)」

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こんにちは。インターンの塚田です。インターン日記@ヨルダン「NICCOスタッフインタビュー」に引き続き、現地にて働くスタッフの方からお話を伺いました。

西田さん1

▲今回のお相手はこの方。西田紗璃さん。

 

 

 

 

 

 

 

 

経歴:1984年生。京都出身。タイのStamford International Universityを卒業後、タイ、日本の一般企業にそれぞれ勤める。その後、オーストラリア国立大学にて国際関係を学ぶ。修了後、在スーダン日本国大使館、外務省本省を経て2014年2月よりNICCO職員に。同年5月よりヨルダン事務所にて女性支援とザアタリ難民キャンプの子ども向け心理社会的ケアワークショップを担当する。

今回は、海外経験の長い西田さんに、日本の外で仕事をすることを中心にインタビューしました。

これまでの経歴を振り返って

塚田:なかなか異色な経歴ですね。特に、学部の時点でタイの大学に進学してらっしゃる点が気になります。日本の大学に普通に進学しようとは思わなかったのですか?

西田:高校生の時、私は進路が定まらず、周りの人達が突然受験勉強を始めたことに違和感を感じたんです。しっかりとした夢があってそれに繋がる大学を目指すならわかるんですが、そうでなくて、いい企業に入りたいからとか、そういう適当な理由で選んで後悔するじゃないかと思ったのです。なので、まずは浪人してでも何がやりたいか、考えることにしました。

塚田:思い切った決断ですね、そこからタイにはどのように繋がるのでしょうか?

西田:近畿青年洋上大学という、船で中国に行って、ホームステイや現地の人々と意見交換を行うというプログラムに姉の勧めで参加したのがきっかけです。初の海外経験で、アジアへの興味が湧きました。中国の戦争関連の記念館の前で写真撮影をしたとき、中国の学生に、「よく日本人は笑顔になれるな」と言われたことが印象に残っています。今まで歴史は好きで勉強していましたが、教科書と実際の現場の違いと言うか、自分には知らないことがたくさんあって、そこに住んでる人達と接することで、人間味というか心に触れられる。そういうことに気付かされました。そして、アジア人としてアジアを見てみたいという感情を抱きました。

塚田:なるほど、そこからタイにつながるんですね。

西田:はい。旅行でタイに行き、より長くそこにいたくなりました。大学に通ってしまえば、長くいられると考えて、進学を決意しました。

 

単身タイへ。「知らない世界」との出会い

塚田:タイでの経験が国際協力への入り口になったのでしょうか。

西田:まだ当時のタイはまだまだ発展途上で、バンコクではなく少し離れた田舎に住んでいましたので、ド田舎でした。大学の先生があるとき、村の学校で英語を教える活動へ誘ってくださったのが、今思えば大きなきっかけでした。また、その後、バンコクのスラム街にて物資配布をしている団体にボランティアとして参加しました。そこで、「自分の知らない世界がある」と気付きました。貧困が目の前にあり、同じタイという国に住んでいても全然知らないことがある。タイでの4年間で、ボランティア活動を通じてタイのそういった部分を知り、国際協力分野で働きたいと考えるようになりました。

塚田:タイに進学した時点で十分に視野が広いように思いますが…(笑)

西田:そうかもしれないですね(笑)先生に誘われて、最初は軽い気持ちで参加しましたが、そこから、そういう事実があるんだなと気付くことが出来たのは大きかったですね。

▲ザアタリキャンプにて子どもたちと。

▲ザアタリ難民キャンプにて子どもたちと。

 

 

 

 

 

 

 

 

好奇心の赴くままに

西田:社会人になると、忙しくなって外に目を向ける機会が少なくなってしまいました。大学院に行ってもっと勉強したいと思い、大学の資金を稼ぐために日本で働くことにしました。その後、オーストラリアへ向かいました。

塚田:なぜ、国際関係を学ぼうとしたのでしょうか?アジアから世界へとより興味が広がったということでしょうか?

西田:日本にいると、あまり世界のニュースに触れる機会は少なく、あっても大抵パワーバランスの強い国々の事です。そのなかでもタイという国は世界に比べると小さい。大国と小国の覆らないパワーバランスや、小さい国々がその中でどのいうふうに生きていくのか、その中での日本の役割等を勉強したいと思い、大学院に進みました。

塚田:そこでの学びはやはり今につながっていますか?

西田:その後のキャリアに影響がありましたね。女性とグローバリゼーションという授業があって、アフリカの国を一つ選んでプレゼンをする必要がありました。そこでスーダンを選んだんです。そこから実際に行ってみたくなって、スーダン大使館勤務の公募が出ていたので、応募しました。

塚田:なるほど。タイの時も、スーダンの時も、すごい行動力ですね。好奇心旺盛に現場に向かっていく姿勢が伝わってきます。

 

アクターで絞り、選んだNGOという働き方。

塚田:その後外務省の本省に行き、そこからNICCOへ来られたと。

西田:そうですね。そのころには国際協力の世界で生きていくと決めていました。しかし国際協力と一口にいっても大きい。そこから一つを選ぶのはむずかしくて、私は国とかプロジェクトではなくて、アクターで切ろうと思ったんです。どこの国に行っても、国際機関、JICA、外務省、NGOがいる。それを経験して、そこから自分に合うものを探そうと思いました。まずは現場に近いNGOがどんなことをしているのかを学ぼうと思ったんです。NICCOに決めたのは、京都出身であることが大きかったです。

塚田:それでNICCOに入局されて、3か月でヨルダン事務所に。早いですね。いざヨルダンと聞いたときはいかがでしたか?

西田:最初はまたアフリカに行きたかったんですが…、ニアピン、ですかね。

塚田:ニアピンですか?!

西田:スーダンもイスラム教のアラブ圏で、アラブの文化は好きでしたし、ヨルダンとシリアも旅行したことがありました。なので、これも何かのご縁かなと。

塚田:実際に来てみてどうでしたか?

西田:ヨルダンは海外の注目も高く、大使館や国際機関、JICAなどの様々なアクターが居て、それらとの調整にNGOの立場から関わることができるので、自分のステップアップのためにも良かったかなと思います。

 

~インタビューは第2回(12月28日公開予定)に続きます~

現在、西田さんが活動するシリア難民支援への「年末年始助け合い募金」を募集しています。
厳しい冬を迎えるシリア難民のために、ご協力をよろしくお願いいたします。

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