2016年03月15日(火)

インターン日記@ヨルダン「心理社会的ケア専門家来訪レポート」

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マルハバ!(こんにちは!)

NICCOヨルダン事務所インターンの稲垣です。

ヨルダンも日本と同じように春先に花粉が飛んでいるらしく、思いっきり花粉症になりました。まさかヨルダンでも花粉症に苦しめられるとは驚きです。

 

今回は心理社会的ケアの専門家である桑山先生がNICCOヨルダン事業の現地視察で来訪された時の様子についてレポートします。

 

あまりみなさんが耳慣れない「心理社会的ケア」とは、紛争や災害などで心に大きな衝撃を受けた際に、その忘れられない記憶と向き合い、表現して、心を整えていく手法です。欧米ではすでに広く知られ、様々な場面で心理社会的ケアが行われており、PTSD(心の傷の後遺症)の予防などに効果があるとされています。

 

NICCOでは心理社会的ケアの専門家であり、NPO法人「地球のステージ」の代表理事である桑山紀彦先生に、各事業地で行なっている心理社会的ケア事業のアドバイザーです。ヨルダンでのシリア内戦被災者支援事業でも桑山先生が考えた心理社会的ケアのプログラムに基づいて、シリア難民、ヨルダン人貧困層の子どもたちを対象としたワークショップを実施しています。

シリア国内の紛争地でショッキングな経験をした子どもたち、あるいは貧困の中で精神的ストレスに晒される子どもたちが、その辛く苦しい出来事をそのまま心に留めてしまうと、心の病にかかる恐れがあります。NICCOが行うワークショップでは描画、粘度細工、スポーツ、演劇などを通して、子どもたちが心の中に抱えたものを外に吐き出し、参加者や周囲の人々と共有することで、自らの体験を捉え直し、心の傷を受容することを目的としています。

 

今回はNICCOが実施している心理社会的ケア・プログラムの実施状況の確認とプログラムへの提言、さらに現地スタッフに対するキャパシティ・ビルディング等を実施しました。

▲参加したスタッフはみんな真剣な表情で話を聞いています

▲参加したスタッフはみんな真剣な表情で話を聞いています

 

 

 

 

 

 

 

桑山先生がザルカ市にあるNICCOの支援センターに到着後、すぐに日本人スタッフと心理社会的ケア事業を担当する現地スタッフが集まってミーティングが行なわれました。

今回のミーティングは、次年度に向けたワークショップ・カリキュラムの改善案についての話し合いを中心に行われ、桑山先生からアドバイスをもらいました。また、心理社会的ケアワークショップの一環として、桑山先生が昨年パレスチナのガザ地区で撮影された映画の上映と質疑応答も行なわれました。

▲新カリキュラムについてプレゼンテーションを行う現地スタッフのファティマ

 

 

 

 

 

 

 

実際に子どもたちと一番密接に関わることになる現地スタッフたちは、いつものにぎやかな雰囲気ではなく、真剣な面持ちで桑山先生の話に聞き入り、メモをとっていました。意見交換、質疑応答も盛んに行われ、質の高い話し合いができたのではないでしょうか。桑山先生も現地スタッフの情熱と成長に太鼓判を押していました。

 最後にみんなで桑山先生が製作した映画を鑑賞して、和やかな雰囲気のなか、ミーティングを終えました。ミーティングの後、桑山先生は実際に難民キャンプでの子供向け心理社会的ケアワークショップの視察を行い、夜には日本人スタッフと会食しました。

写真3

▲ミーティングの後もスタッフたちから質問攻めに合う桑山先生

 

 

 

 

 

 

 

桑山先生をはじめ、NICCOが行うシリア内戦被災者支援事業は実に多くの方々の協力によって支えられています。この思いを忘れることなく、これからもシリア難民の人々の力になれるよう誠心誠意尽力していきたいと思います。