サラーム!(こんにちは!)
ヨルダン事務所の安田真司です。本日は私たちが支援センターを置いているヨルダンのザルカ県についてご紹介したいと思います。
▲センターから見たザルカ市の風景
ヨルダン・ハシミテ王国は12の県に分かれており、人口の規模で言うと、ザルカは首都アンマンに次いで2番目に大きな県です。オスマン・トルコにより鉄道が敷設されて以降、ザルカ県はヨルダンの重要な軍事拠点であり続けました。
“ザルカ”という名前は、かつてアラビア半島北部に居住していたアカーデユンという人々が、この土地を“ザール・キ(水の場所)”と呼称していたことに由来します。その名の通り県の東部の町アズラックには、アズラック湿原保護区と呼ばれる湿地帯があり、中東随一のオアシスとして知られています。
しかしながら、この湿地を潤す天然の水源は既に枯渇しており、現在は観光資源の保護を目的として、人工的に汲み上げた水によって、湿原帯が保たれています。
またこの町には、シリア難民のための大規模なキャンプが設置されており、UNHCRの統計によると、2016年3月16日時点で34,154名のシリア人が、避難生活を送っています。
▲ザルカセンター
アズラック難民キャンプの他にも、ザルカ県には48,018名のシリア難民が居住していると言われ、その数は、流入と流出を繰り返しながら、ここ2年ほどの間は50,000名に近い水準を保ち続けています。ザルカ県は、アンマンに隣接し、容易にアクセスが可能である一方で、アンマンと比較すると生活費を低く抑えることができるため、ヨルダン国内から多くの難民がこの土地に移住しているのです。
多くのシリア人がザルカに移住するようになって以降、地元の人の話では、不動産賃借料の上昇と最低賃金の下落が続いているとのことです。ヨルダン当局は、シリア人だけでなく、常にヨルダン人の社会的弱者にも目を向けるように、援助機関に要請を行っています。
既存のヨルダン人コミュニティに最大限配慮しながらシリア難民支援を行うということは、私たちに課せられた重要なミッションなのです。
引き続きNICCOはこのザルカにて、シリア難民と社会的に弱い立場におかれたヨルダン人への支援活動を続けていきます。