マルハバ!(こんにちは)
ヨルダン事務所インターンの吉田明子です。本日は、ザアタリ難民キャンプで行っている子ども向けワークショップについての投稿です。
ヨルダン北部、シリアとの国境から約15キロメートルに位置するザアタリ難民キャンプは世界でも五本の指に入る規模の難民キャンプです。人口は、7.99万人(2015年現在)でキャンプとはいえ一つの町のようになっています。NICCOはこのザアタリ難民キャンプの子ども達に「心理社会的ケア」を基にしたワークショップを行っています。そして今回は、先日行われた「Cut&Paste:悲しみを笑顔に」セッションについてお届けします。このセッションでは、はじめに「過去の悲しい出来事」について折り紙の後ろに書き込みます。文章だけでなく絵で表現しても良く、表現方法は自由です。
(写真上:悲しい出来事について書き込んでいる子ども達とそれを見守る現地スタッフ)
この書き込みが終わったら、次に皆で各々の悲しい出来事を共有します。子ども達の大半は、シリア内戦時に経験した辛い経験について語ってくれました。
(写真上:悲しい出来事について語る子どもとそれを見守る現地スタッフ)
これまでは胸の内に閉まっている悲しい感情を表出するワークでしたが、次はその悲しみを糧に笑顔になるためのワークです。まず始めに、先程の折り紙を細かく破ります。
(写真上:子ども達は折り紙を細かく破ることに夢中でした)
最後にこの破った折り紙を皆で集め、スマイルの顔が書かれた画用紙に貼り付けます。これで、子ども達だけのスマイルフェイスが完成しました。
(写真上:思い思いに貼り付けている様子)(写真下:完成したスマイルフェイス)
完成したスマイルフェイスを見ると子ども達も思わず笑顔になっていました。
今回のワークショップでは、子ども達が悲しみを共有すると同時に、その悲しみを皆で協力して笑顔に変えることを目的に行われました。一人で抱え込むとつらい出来事や苦しい感情も、皆で分かちあい、皆で前に向かって進んでいこうとすることで少しずつ明るい未来を築いているように感じました。最後に、子ども達が完成したスマイルフェイスを見て喜び、達成感に満ち溢れている様子は非常に印象的でした。これからもワークショップは引き続き行われますが、子ども達にとって少しでも実りのあるものを提供できるよう、現地スタッフと協働して取り組んでいきたいと思います。
ヨルダン事務所
インターン 吉田明子