こんにちは。
今週からヨルダン事務所でインターンをしています、鈴木のどかです。
ヨルダンの首都アンマンに初めて降り立って、砂漠の都市らしい薄茶色の街並みと、あちこちの看板に見られる、洗練されたアラビア語の字体の美しさに心躍りました。
これから3か月の滞在で、事業や普段の生活について、私が感じたことをお伝えできればと思います。
到着した翌日、早速私が参加したのは、子ども向けの心理社会的ワークショップです。ヨルダンの学校がお休みの金・土に、ザルカ県にあるNICCOの建物の1階で、週2回行われています。参加者の子どもたちは、シリア人、ヨルダン人、パレスチナ系の子など、バックグラウンドも様々。
まずは、皆で輪になってアイスブレイクから。身体を動かす簡単なゲームをします。
盛り上げ上手なスタッフのおかげで、笑い声が絶えません。涙を流すほど爆笑しちゃう子も。
▲「みんな、声出してるかーっ?」スタッフが場を温めます。
心理社会的ワークショップは、内戦や家庭の事情から心に傷を負った子どもたちを対象に、自身が感じた辛かったことや悲しかったことを吐き出すことで、精神的な健康を取り戻していくことを目的としています。今期3週目となる今回は、自分の手のひらに沿って切った紙に夢や願いを書き、みんなで貼り合わせてひとつの木にしていく、という内容です。
▲子どもたちは、年上・年下の子が一緒のグループになるように分かれて作業します。
日本の私たちが子どものころ、何気なく行っていたお絵かきや工作などは、心の教育にも役立っていたんだなあ、と気付かされます。
▲夢中でチョキチョキ。
指に一本ずつ書かれた夢や願いは、
「国が民主的に、平和になりますように」「家族が安心して暮らせますように」
という、こちらの子どもたちならではの切実な内容から、
「空を飛びたい」「宇宙飛行士になりたい」というようなかわいらしいものまで。
▲みんなの手を集めて、一つの大きな木にしていきます。
▲思い思いに絵を加えて、カラフルな木になりました。
▲完成した願いの木を眺めて、嬉しそうな子どもたち。
少しずつ、みんなの願いが叶うといいなあ。
2時間のワークショップが終わった後、スタッフはすぐに振り返りのミーティングを始めます。理解できていない子はいなかったか、前回馴染めていなかったあの子はどんな様子だったか、など、一人ひとりにしっかりと気を配って子どもたちのことを考えていました。それまで、子どもたちを元気に盛り上げていた姿から一変して真剣な表情になったスタッフに、さすがだな、と思いました。
出来上がった木は、今期のワークショップが終わるまで部屋に貼っておきます。
これからワークショップは、描画のような平面表現から、立体表現、そして演劇へと表現の幅を広げ、段階的に、子どもたちの心の内にある思いを引き出していきます。
今回のセッションではまだ、私には子どもたちの明るい姿しか見えませんでした。
この先、少しずつこの子たちの様々な面と向き合っていけたらと思います。
ヨルダン事務所インターン
鈴木のどか